賃貸物件の入居審査では、自身の収入や勤務実績に加えて、クレジットカードの支払い状況についても注意しなければなりません。
家賃保証会社によっては個人信用情報をチェックするため、クレジットを滞納した経験がある場合は、審査で不利になってしまう可能性があるのです。
しかし、クレジットカードの支払い不備があるからといって、絶対に物件が借りられないわけではないため、本記事を参考に適切な対応策を把握していきましょう。
- クレジットの滞納があっても個人信用情報を調査しない家賃保証会社なら審査のテーブルに乗る
- 事前に個人信用情報をチェックしておくのがおすすめ
- 不動産会社に滞納の事実を伝えれば最適な提案をしてもらえる
入居審査はクレジットの滞納があっても諦める必要はない
まず結論として、たとえクレジットの滞納があったとしても、賃貸契約をあきらめる必要はありません。実は、すべての家賃保証会社が個人信用情報を調査するわけではないので、きちんと各社の特徴が掴めれば十分審査に通過する可能性があるのです。
個人信用情報とは:クレジットカードや住宅ローン、キャッシングといったあらゆる金融サービスの利用歴を蓄積している情報。JICCやCICといった専門機関が収集している。
具体的に、家賃保証会社は以下の4種類に分かれており、信販系以外に申し込むことができれば、滞納歴があっても審査に通過する見込みがあります。
- 信販系
- LICC系
- LGO系
- 独立系
もちろん、収入要件といったその他のポイントで否決になるケースはありますが、まずは個人信用情報に不安があっても賃貸は契約可能ということを押さえておきましょう。
家賃保証会社の種類とは
ここからは、家賃保証会社の特徴を種類別に確認していきます。
クレジットに滞納がある状態で入居審査を受ける場合は、必須知識といっても過言ではないため、ぜひ参考にしてください。
信販系
エポスカードやオリエントコーポレーション、ジャックスが該当する信販系家賃保証会社は、原則としてクレジットカードの利用歴、あるいは発行できるかどうかで審査します。
すなわち、以下の要件に当てはまる場合は、不利な見方をされる可能性が高いといえるでしょう。
- 過去5年以内にクレジットを滞納した
- クレジットカード自体が作れない
- 自己破産・任意整理から2~3年程度しか経っていない
参考までに、信販系は家賃が高額な物件、または大手不動産会社と提携しているケースが多いため、もし不安な場合は事前にチェックしておくのがおすすめです。
LICC系
LICC(全国賃貸保証業協会)は、基本的に個人信用情報を調査しない一方、加盟店同士で契約者の氏名や家賃滞納歴などを共有しています。したがって、以下の家賃保証会社で過去に支払い不備があると、審査でマイナス要素として見られてしまうでしょう。
- エルズサポート
- ジェイリース
- ルームバンクインシュア
- 全保連など
一方、家賃滞納さえしていなければ審査のテーブルには上がれるので、候補の1つとして覚えておいてください。
LGO系
LGO(賃貸保証機構)は、そもそも個人信用情報の照会権限を保有しておらず、LICCのような情報共有もほとんど実施していない印象です。
- Casa
- フォーシーズ
- ラクーンレントなど
そのため、ラクーンレントでは落ちてもフォーシーズなら審査に通る、というパターンがあり、比較的気軽な気持ちでチャレンジできるグループといえます。
独立系
独立系の家賃保証会社は、他社との情報共有に加えて個人信用情報の調査も行わず、各社が独自の基準に基づいて申込人を審査します。
- 日本セーフティー
- 日本賃貸保証JIDなど
実際の審査通過率も比較的高い傾向ですが、その分入居中に発生した家賃トラブルには厳しい対応を見せており、過去には再契約を断られた事例もあるほどです。
しかしながら、クレジット滞納歴がある方でも基本的には審査テーブルに乗るため、物件探しの際は独立系家賃保証会社が使えるかをまず確認してみた方が良いでしょう。
クレジットの滞納がある人の対応策3つ
家賃保証会社の種類が把握できたところで、次はクレジットを滞納している方が取るべき3つの対応策を解説します。
いずれも重要なポイントとなるため、しっかり押さえておきましょう。
個人信用情報をチェックする
クレジットの滞納があるといっても、支払えなかった期間や頻度によって内容が異なり、支払い終えてから5年経過していれば自動的に抹消されるケースもあります。
- 完済から一定期間が経過すると記録が消去されるケースがある
- 2~3日ではなく数か月に及ぶ滞納は「異動」という事故情報が登録される
すなわち、具体的に記録を見てみなければ正確な情報が判断できないため、物件を探す前に自分の個人信用情報をチェックしてみるのがおすすめです。
- アプリをダウンロードする
- アカウントを登録
- パスワードを発行
- 本人確認を行う
- 1,000円程度の手数料を支払う
- 郵送で個人信用情報を受け取る
同じく効果的な材料となるCICも手数料を支払えば開示してもらえるので、引っ越しまでに時間の余裕がある場合は、検討してみてください。
収入要件などを確認する
信販系以外は基本的に個人信用情報を照会しないといっても、収入要件や勤務実績などはチェックします。事前に自分の状況を分析して、不足がないかを確認しておきましょう。
- 月収に対して家賃が30%内に収まっているか
- 安定的に家賃を支払える職業に就いているか
- 継続的に勤務しているか
- 十分な預金残高を保有しているか
(フリーランスの場合提示を求められる可能性があります)
以上のことから、クレジットの滞納がある方は、月収の3割内に収まりつつ信販系以外の家賃保証会社が使える物件を見つけなければなりません。
もし条件に合う部屋がない場合は、エリアや家賃、間取りなどを変えながら幅広く探してみてください。
不動産会社に相談する
少し気が引けるかもしれませんが、クレジットの滞納がある場合は早い段階で不動産会社に相談した方が良いでしょう。
- 不動産会社によっては信販系しか扱っていない
- 複数の家賃保証会社と提携していれば信販系を避けて審査を進めてくれる
- 物件によって使える家賃保証会社が変わる
上記の通り、家賃保証会社は申込人が自由に選べるわけではないため、不動産会社の協力は必要不可欠なのです。
しっかりと事情を説明すれば、最適な物件を紹介してもらえるので、気負わず打ち明けましょう。
入居審査はクレジットの滞納を考慮しない家賃保証会社を選ぼう
本記事では、クレジット滞納があっても審査の通過が見込める家賃保証会社や、3つの対応策を解説してきました。
- 家賃保証会社は信販系以外を狙う
- 個人信用情報をチェックしてみる
- 収入要件などを満たしているか確認しておく
- 不動産会社に滞納歴を伝える
クレジットを滞納して入居審査に通るか不安な方は、ぜひ本記事を参考に適切な対策を行いましょう。