働き方の多様化が進んでいる昨今、自営業やフリーランスとして賃貸審査に臨む方も増えています。
しかし、どれだけニーズが高まっているとしても、正社員より審査が厳しいことに変わりはなく「収入の安定性が低い」「経営実績が1年程度しかない」という理由から、不安な気持ちを抱えるケースも多いでしょう。
そこで本記事では、自営業が賃貸契約を断られる理由や、審査に通過するコツを解説します。
今後引っ越しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- 自営業でも十分な準備をしておけば賃貸審査に通過する
- 収入に対して家賃が高額すぎると断られる可能性が高まる
- 十分な貯蓄や保証人を用意すれば信用性が高まる
自営業でも賃貸の審査に通過できる
まず結論として、特定の企業に所属していない自営業者でも、賃貸審査に通過することは可能です。
ただし、サラリーマンのように毎月一定の給与を得ているわけではないので、以下のようなポイントを重点的に固めなければなりません。
- 家賃に対して十分な資産・預貯金を持っている
- 黒字の確定申告書を提示する(物件によってなくても問題ない)
- 家賃が支払えるほどの稼ぎがある
実際のところ、「〇〇円あれば審査に通る」という明確な基準はないものの、とにかく「希望物件の家賃に対して十分な収入・貯蓄」を持っていれば、審査の土台には上がれるでしょう。
- 家賃が毎月の収入に対して30%内に収まっている
- 家賃2年分以上の貯蓄を証明できる
もちろん、上記は一般的な基準となるため、さらに潤沢な貯蓄・収入があった方が好ましいでしょう。
しかしながら、自営業であっても賃貸物件は借りられるため、まずはその点を理解しておいてくださいね。
自営業が賃貸の審査で断られる3つの理由
ここからは、自営業が賃貸の審査で断られる理由を3つ確認していきましょう。
スムーズに引っ越しを進めるためにも、ぜひ参考にしてください。
収入に対して家賃が高額すぎる
自営業に限った話ではありませんが、収入に対して家賃が高額すぎる場合は審査に通過しない可能性があります。
- 総収入ではなく毎月の手取りに対して家賃が30%以内、20~25%に収まれば理想的
- 固定給ではないため上記よりもさらに割合を低く抑えられた方が良い
自営業者は家賃の一定割合を経費として申告できることから、比較的高価な物件を選ぶ傾向ですが、家賃保証会社や管理会社は「審査時の書面」でしか判断しません。
すなわち、節税後の最終的な収支ではなく、あくまでも審査時の収入だけをベースに物件を探すのがおすすめです。
経費の計上額が大きくほとんど黒字化していない
家賃が高額な物件では、比較的厳格な審査を行う家賃保証会社を採用するケースが多く、申込時に確定申告書の提出を求められる可能性があります。
もちろん、安定的に黒字をだしていれば問題ありませんが、以下の理由からほぼ赤字で申告している場合は賃貸契約を断られるかもしれません。
- 経費を計上して節税している
- そもそも売上自体が少ない
住民税や保険料が上がってしまう点は少しネックになる一方、賃貸物件を借りるためにはできる限り営業利益が残る形で確定申告した方が良いでしょう。
また、事業開始から間もない時点では、確定申告書自体が準備できないこともあるので、あらかじめ不動産会社に相談して、提出する必要がない家賃保証会社を選んでもらってください。
利用用途が物件に見合っていない
居住用物件で事業を行おうとしている、あるいはその逆パターンのように、賃貸物件に定められた利用用途とマッチしない場合は賃貸契約を断られてしまうでしょう。
- 居住用:生活スペースとして利用する一般的な物件
- 事業用:打合せや接客、制作作業など完全に仕事にしか使わない物件
- SOHO物件:自宅とオフィスの両方に使える物件
賃貸契約書にも利用用途についての制限は明記されているため、あらかじめ不動産会社に相談し、適切な物件を探してみてください。
自営業で賃貸の審査に通過する4つのコツ
断られてしまう理由が把握できたところで、次は自営業が審査に通過する4つのコツを解説します。
理想の物件が借りられるように、しっかり押さえておきましょう。
十分な貯蓄を準備しておく
固定給を得ている会社員などはあまり求められませんが、収入が不安定と思われる自営業者やフリーターの場合、貯蓄額が審査で重視されるケースがあります。
- 収入が落ち込んでも家賃が回収できることの確認
- 間接的な収入水準の裏付け
具体的な提出方法も、通帳やネットバンキング画面のコピーを提出するだけなので、そこまで手間はかからないでしょう。
しかしながら、家賃に対する貯蓄額の基準は公開されていないため、最低でも1年分、できれば2年分以上を準備しておくのがおすすめです。
黒字の実績を積んでおく
事業の実績は最もチェックされるポイントとなるため、普段から黒字を残せるように意識しておきましょう。
- 売上を伸ばす
- 日常的に経費を削減する
一方、家賃保証会社によっては、確定申告書ではなく「見込み収入額と預金残高のコピー」だけで申し込める可能性があります。
そのため、事前に必要な書類を確認しておいて、無駄なく立ち回れるようにしてみてください。
保証人を立てる
保証人は家賃保証会社を使えば原則不要となりますが、あえて提示することで信頼性を高めることができるでしょう。
- 会社員や公務員など安定した収入を得ている
- 年収が高いほど信用度が高い
ただし、本当に家賃の支払いが滞る可能性もゼロではないので、万が一に備えて比較的相談しやすい近親者に頼んでみてください。
希望よりも少しだけ家賃が安い物件を選ぶ
賃貸契約を有利に進めるには、利益や貯蓄を増やすだけでなく、審査基準の家賃自体を下げるのも効果的です。
以下のようなデメリットはありますが、より確実性を高めるためもぜひ検討してみてください。
- 駅やスーパーまでの道のりが遠い
- 物件の築年数が古い
- 過去に心理的瑕疵が発生した可能性がある
- 室内設備のクオリティが低い
不動産会社に相談すれば、希望条件とそこまで変わらず安い物件が見つかるかもしれません。
営業担当へできる限り詳細を伝えて、理想に近く審査にも有利な住まいを探してみましょう。
自営業で賃貸審査に挑むのなら十分な準備が大切
本記事では、自営業が賃貸審査で断られる理由や通過するためのコツを解説してきました。
- 十分な貯蓄を準備しておく
- 黒字の実績を積んでおく
- 保証人を立てる
- 希望よりも少しだけ家賃が安い物件を選ぶ
自営業はサラリーマンよりも審査が厳しい傾向ですが、十分に準備しておけば賃貸物件を借りることができます。
今後引っ越しを検討している方は、ぜひ本記事を参考に賃貸審査を乗り切っていきましょう。