日々何気なく生活していると、「うっかり物を落としてしまった」「家具を引きずって移動した」などの理由が積み重なり、フローリングを傷だらけにしてしまう方も少なくありません。
そして、賃貸物件はプライベートな生活空間である一方、オーナーの持ち物であることに変わりはないので、あまり酷いと退去時に修繕費用がかかるケースもあるのです。
そこで本記事では、賃貸のフローリングを傷だらけにしてしまった場合の修繕費用負担や対処法を解説します。
近日中に退去を検討している方はもちろん、今後賃貸を契約する予定がある場合も、ぜひ参考にしてください。
- フローリングの修繕費用は傷の度合いや敷金の有無などで変わる
- 入居前のチェックリストがとても大切
- もし傷だらけでも自己修理や業者への発注はNG
賃貸のフローリングを傷だらけな時の修繕費用は様々な事情で変わる
賃貸のフローリングは立派な室内設備に1つとなるため、もし傷つけてしまった場合は当然修繕義務が発生します。
ただし、必ず実費を請求されるかといえばそうではなく、肝心の工事費用についても見積を取った業者や傷の度合いによって差がでてくるでしょう。
- オーナーの判断でそもそも請求されないケースがある
- 敷金を払っていればそこから差し引かれて持ち出しのお金が発生しない
- 傷の度合いや張替えの範囲で数千円から10万円以上と幅がある
したがって、「このくらいならお金がかかる」と明確に断言できるのは、基本的にオーナー以外に存在せず、どれだけ管理会社に問い合わせても答えは得られません。
しかしながら、もし傷が目立つようなら無料見積を実施しているリフォーム業者に見てもらえば、ある程度の相場は掴めるため、どうしても心配な場合は検討してみてください。
賃貸のフローリングが傷だらけな時の修繕費用負担3パターン
ここからは、フローリングが傷だらけな時の修繕費用負担を、3つのパターンに分けて確認していきます。
退去前はとても不安になるポイントですが、正しい知識を身につけて慌てないようにしましょう。
フローリングが小傷ばかり
フローリングが傷だらけといっても、パッと見て分からないような小さな損傷であれば、そこまで深刻に考える必要はないでしょう。
- 敷金から差し引かれて余りが返ってくる可能性がある
- オーナーから指摘されないかもしれない
ただし、全面的に傷が散見される場合は、フローリングの総取り替えで6畳は、フローリングの総取り替えで6畳あたり数万円、部材の品質によっては10万円を超えてくるケースもあります。
そのため、あくまでも「小傷が小規模に広がっている」ケースとして参考にしてください。
一部分に複数の大きな傷がある
一部分にとても目立つ傷がある場合は、その部分だけを張り替える可能性が高いでしょう。
一方、業者によっては1畳などの小さな施工を受けていないケースも多く、思いのほか費用がかさんでしまうこともあり得ます。
- 小口の仕事を業者が受けてない場合は修繕費用が高くつくケースもある
- 敷金を10万円分程度納めていればほとんどカバーできる可能性が高い
いずれにしても修繕は発生するため、もし不安な場合はリフォーム業者に見積もりだけ取ってもらった方が良いかもしれませんね。
全体的に明らかな傷がある
部屋全体に誰が見ても分かる傷がある場合は、フローリングの全面張替えが必要となります。
- 部屋の大きさにもよるが、ワンルームでも10万円を超える可能性がある
- 敷金をオーバーするケースがある
実際のところ、ここまでの事例は珍しいので、該当しない方がほとんどでしょう。
しかしながら、もし大きな傷が至る所にあるのなら、退去時の確認ではなく事前にオーナーか管理会社へ連絡しておくのもおすすめです。
フローリングの修繕費用を抑えるためのポイント2つ
ここからは、フローリングの修繕費用を抑えるためのポイントを2つ解説します。
いずれも入居前から生活時にかけての対策なので、今後賃貸契約を検討している方は特に把握しておきましょう。
入居前の傷はきちんとチェックしておく
賃貸物件に入居する際は、ほぼ必ず「入居時チェックリスト」か「現状確認書」を管理会社へ提出します。
入居前の「まだ生活を始めていない状態」を確認するための書類。部屋のどこにどんな傷があるかを報告し、「これは私がつけたものではありません」という証明になる。
入居時チェックリストは、引っ越し間近のタイミングで作成することになるので、部屋をきちんと見ずに作成してしまう方も少なくありません。
しかしながら、もし元から傷だらけだったにも関わらず申告していないと、修繕費用がそのまま降りかかってくるので、できる限り入念にチェックした方が良いでしょう。
フローリングを傷つけないように生活する
当然の対策となりますが、修繕費用を抑えるにはそもそも「傷をつけない」ことも非常に大切です。
- 物を落としてしまった
- テーブルや椅子を日常的に引きずる
- ペットがフローリングを引っ搔いた
- 家具の移動でぶつけてしまった
日常生活を送る上では、いつ発生してもおかしくない事象ばかりとなるため、もし気を遣いながら過ごしたくないのなら、コルクマットや大きめのラグを敷くのもおすすめです。
賃貸のフローリングが傷だらけな時の注意点
ここからは、すでにフローリングが傷だらけになってしまった方に向けての注意点を確認していきましょう。
修繕費用を最低限に抑えるためにも、ぜひ参考にしてください。
自分で修理するのは控える
昨今はフローリング用のマーカーなどが販売されており、「自分で修理すればどうにかなるかも」と考えるかもしれませんが、以下の理由から基本的にはやめておいた方が良いでしょう。
- 契約書で「入居者判断による修理」を禁止しているケースがある
- 色合いなどがマッチせずにかえって傷を目立たせてしまう
本当に軽微な小傷が数か所程度であれば、ホームセンターの修理キットでも対応できるものの、傷だらけの場合は下手に触れようとせず、それ以上ダメージを与えない方向に考えをシフトするのがおすすめです。
業者への修理依頼はしない
事故修理はもちろんですが、入居者の勝手な判断で業者に依頼するのはさらにNGです。
- 自分で修理するのは控える(小傷が数か所は除く)
- 不動産会社によっては提携業者以外による工事は修繕として認めていない
- オーナーが望むクオリティでないと逆に修理対象になる
最悪の場合は、業者と退去時費用を二重で支払うケースに発展しかねないので、独断での工事は決しておすすめできません。
ただし、修繕費用の相場を知るための「見積もりだけ」なら問題ないため、その点をきちんと区別して活用してみてください。
賃貸のフローリングが傷だらけでも慌てないことが肝心
本記事では、賃貸のフローリングが傷だらけな時の修繕費用や注意点を解説してきました。
- 自分で修理するのは控える(小傷が数か所を除く)
- 業者への修理依頼はしない
退去前にフローリングが傷だらけでは、修繕費用を抑えるために自力修復や業者へ依頼したくなるところですが、逆に修理費用が高額になるリスクがあります。